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2010/01/06

『さよならの代わりに』

51170k54v8l_sl500_aa240_昔、山口百恵の歌にそんなのがあったが(笑)、貫井徳郎のミステリーである。アマゾンの紹介文。

劇団“うさぎの眼”の看板女優が、上演中に控え室で殺害された。事件と前後して現れた、真犯人の存在をほのめかす謎の美少女。駆け出しの僕は、彼女と共に事件の真相を追い始める。彼女に振り回され、時折見せる曖昧な言動に戸惑いながらも、僕は、その不思議な魅力に次第に惹きつけられていく。しかし、彼女は、誰にも言えない秘密を隠していた―。(引用終わり)

1月5日 ジョグ10キロ
1月6日 休養

ネタバレになるのであまり書けないが、分類からすれば筒井康隆『時をかける少女』のようなタイムトラベルものと言えるだろう。現在と未来が交錯する複雑な仕掛けはともかく、その舞台回しの上で和希と祐里が出会い、一連の事件に巻き込まれ、そして別れるというオーソドックスなストーリー展開はなかなか読ませる。

タイトルが暗示するとおりの結末はとても切ないが、登場人物たちの造形も巧みで、小劇団の舞台裏も窺えて興味をそそる。『愚行録』『慟哭』とはまったく異なる作風で、作者の芸域の広さに驚かされる。

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