政治と宗教の話はなるべく避けているが敢えて書く。
中国の習近平副主席と天皇陛下の面会を巡る問題。そして普天間基地移設に関する日米合意の事実上の白紙撤回。これを、豪腕小沢幹事長の横暴だとか、時間稼ぎの結論先送りだとか批判するのは簡単である。
1カ月ルールなど破っても良いというつもりはない。外交にはルールがつきものであり、例外は新たな例外を招いて収拾がつかなくなる。宮内庁長官は辞表を出してから批判すべきだと幹事長は言ったそうだが、それを言うならルールを変えてから横車を通せということになるだろう。
問題はそんな次元のことではない。この2枚の絵を重ね合わせるとき、わが国外交の基軸が対米重視からアジア重視へと、大きく舵を切りつつある構図が明瞭に浮かび上がるのである。つい先日も鳩山首相は「バリ民主主義フォーラム」なる一見地味な行事のためにわざわざインドネシアまで赴いた。普天間の問題では北朝鮮メディアが珍しく好意的な報道をしたという。
対米関係を最重要視してきたわが国外交の基本方針が、冷戦終結後20年を経てようやく変わろうとしているのならば、それに対する国民的合意あるいは最低限その認識が不可欠であろう。
民主党のマニフェストに「緊密で対等な日米関係」「アジア外交を強化する」と明記されているものの、首相や外相は国民に分かりやすい形できちんと説明する責任がある。マスコミも小沢幹事長と羽毛田長官の対立を面白おかしく報道するだけでなく、その背景にある「大きな絵」を検証して報道すべきだ。
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