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2009/10/11

『断絶』

512faimjq6l__sl500_aa240_堂場瞬一の汐灘シリーズ第2作。版元紹介文。

閉塞感漂う地方都市・汐灘に、全てを捧げた代議士・剱持隆太郎。息子か現知事か、激化する後継者争いの中、発見された女性の遺体。刑事・石神謙と剱持、二人の運命が交錯する。(引用終わり)

10月10日 ジョグ10キロ
10月11日 LSD40キロ

シリーズと言っても、第1作『長き雨の烙印』の刑事伊達明人が脇役で出てくるぐらいで、他の登場人物は全く異なる。しかし、汐灘という架空の地方都市の「閉塞感」は通奏低音のように2作に共通しており、本作もまたとても重い読後感を残した。

代議士剱持の後継者争いと、女性の死亡の真相追及が同時進行していくが、密告電話の主が意外なところにいた以外は、他の堂場作品と同様、事件全体の構図はかなり早い段階から想像がついた。

刑事ものとスポーツものを中心に書いてきた堂場瞬一だが、地方政治のドロドロした部分にも踏み込んだ本作を契機に、松本清張ばりの社会派への脱皮を図ろうとしているのだろうか。

ところで、今月3日に放送された本作のTVドラマは録画に失敗した。早く再放送してくれないものか。

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