『長き雨の烙印』
作者出身の茨城県のどこかの市をモデルにしたと思われる「汐灘」の冬を舞台に、冤罪、復讐、陰謀といった重苦しいテーマが絡み合いながらストーリーが展開していく。「鳴沢了」シリーズの初期、『雪虫』あたりの雰囲気に近い感じである。
事件の構図は途中で大体想像がついたが、その通りの結末を読んだあとでもカタストロフィは感じられず、登場人物たちと同じような遣り切れない思いだけが残った。好き嫌いが分かれるところだが、そういう意味では大変印象に残る作品だ。
ところで、「汐灘」シリーズの第2作『断絶』は、10月3日にテレビ朝日系列でドラマ放映されるらしい。「読んでから観る」主義なので、早く図書館に戻って来てほしいものだ。どのみち、録画して後で観ることになるだろうけれど。
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