『汽車旅放浪記』
夏目漱石、宮脇俊三、それに紹介文にはないが内田百閒を取り上げた文章が面白かった。
いつもながらこの作者の視点は常に過去を向いている。「あとがき」の中で、次のようなことを書いている。
彼ら(注、「団塊鉄ちゃん」のこと)もまた私のように時間旅行をたのしんでいるのだと思う。その懐旧すべきは、やはり昭和三十年代の日本の風景である。だが一九六〇年代後半以降、昭和でいうと四十年代からあとの時代潮流の圧力はすさまじく、それ以前の牧歌を圧倒し去った。
私がなぜ廃線に惹かれるのか、自分でもよく分からないところがあったが、この「時間旅行」という言葉に何かヒントが隠れていそうだ。
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