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2008/12/03

『神の領域』

Kami堂場瞬一著。「刑事・鳴沢了」シリーズに登場した横浜地検の検事・城戸南がスピンオフして主人公となり、警察顔負けの捨て身の捜査に奔走する。アマゾンの紹介文。

横浜地検の本部係検事・城戸南は、ある殺人事件を追ううちに、陸上競技界全体を蔽う巨大な闇に直面する。それは、箱根駅伝途中棄権という城戸自身の苦い過去とその後の人生に決着を迫る闘いとなった。あの「鳴沢了」も一目置いた横浜地検検事の事件簿。(引用終わり)

12月2日 ジョグ10キロ 
12月3日 軽いビルドアップ10キロ

著者独特の「ド真ん中、直球」の展開で、例によって事件の全貌は途中で大体見当がつく仕掛けとなっている。城戸の闘いの相手は前に読んだ『キング』にも出てきた、陸上競技に限らずスポーツ界全体を覆う「闇」である。

鳴沢が自らの性向に通じるものを感じ取ったとおり、城戸は思い立ったら行動あるのみの熱血漢で、まさか検事がここまでやらないだろうという囮捜査まで敢行して上司から諌められる。そう言えば、NYに単身赴任中の妻・藍子は、鳴沢の恋人・優美を想起させる。また、鳴沢の相方・今(こん)刑事に負けず劣らず、城戸の助手を務める事務官・大沢直人もなかなかいい味を出している。

命の恩人との対決となるホロ苦いラストに向けて、やや引っ張りすぎた感があり、その割に最後がやや尻すぼみのようになったのは残念である。同じく陸上競技を題材にした最新作『チーム』に期待しよう。

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