« ここだけの噺 | トップページ | 中之島線に乗ってみた »

2008/10/19

『幻夜』

51rloq7la5l__sl500_aa240_東野圭吾著。以前に読んだ『白夜行』の続篇とされる。文庫本で800頁近い大部だが、前作同様長さは全く感じさせない。カバーの紹介文。

阪神淡路大震災の混乱の中で、衝動的に殺人を犯してしまった男。それを目撃した女。二人は手を組み、東京へ出る。女を愛しているがゆえに、彼女の指示のまま、悪事に手を染めてゆく男。やがて成功を極めた女の、思いもかけない真の姿が浮かびあがってくる。彼女はいったい何者なのか?! 名作『白夜行』の興奮がよみがえる傑作長編。(引用終わり)

以下、ネタバレはあまりないはず。

10月18日 LSD20キロ
10月19日 10キロペース走(39分38秒)を含む20キロ

作品中、前作との関連は明示されているわけではなく、新海美冬と名乗る主人公の生い立ち、経歴は最後まで伏せられたままである。僅かに「BLUE SNOW」や「ホワイトナイト」という店名で前作との繋がりが暗示されているだけである。

自らの身を守るために悪魔的な犯罪を次々と考え出し、綿密な実行プランを立てるのは、今回は女の方であり、前作とはネガ・ポジのような関係になっている。しかし、「男女の物語」と言いながら今回もまたあまりにも不公平で呆気ない結末には、大方の読者が欲求不満を覚えることだろう。しかし、物語はこれで完結しているのではなく、やがて来るべき続篇への壮大な伏線なのではないかという気がする。

ところで、この小説を映像化するなら、関西出身という設定の美冬役は、ひところの沢口靖子がぴったりだったと思う。ネイティブの関西弁が喋れて、妖しさプンプンの女優は他にいるだろうか。もっとも、今となってはさすがに年を取りすぎているが。

|

« ここだけの噺 | トップページ | 中之島線に乗ってみた »

コメント

あと2シリーズくらいで沢口靖子さんがピッタリかと。(笑)
たしかラストの書評に、早く次作を書かないと雪穂(美冬)が年老いてしまうぞ、みたいなことが書かれていたような。

話は変わりますが、つい先日、嫁が「白夜行」を3ヶ月かかって読破し、次の幻夜を読みたいがために早く吉野練習会に行けとせっつかれている次第でして・・(^^ゞ
福知山までに吉野LSDあればお誘いくださいませ。

投稿: けんあん | 2008/10/19 23:01

けんあんさん
随分前にお借りしておきながら
読むのが遅くなってしまいました。
早くお返ししたいのですが、
来週再来週はペース走の予定ですので
次に吉野LSDに行くとすれば
11月8~9日の週末になりますね。
もしよろしければメールで。(笑)

投稿: まこてぃん | 2008/10/20 21:57

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『幻夜』:

« ここだけの噺 | トップページ | 中之島線に乗ってみた »