『幻夜』
作品中、前作との関連は明示されているわけではなく、新海美冬と名乗る主人公の生い立ち、経歴は最後まで伏せられたままである。僅かに「BLUE SNOW」や「ホワイトナイト」という店名で前作との繋がりが暗示されているだけである。
自らの身を守るために悪魔的な犯罪を次々と考え出し、綿密な実行プランを立てるのは、今回は女の方であり、前作とはネガ・ポジのような関係になっている。しかし、「男女の物語」と言いながら今回もまたあまりにも不公平で呆気ない結末には、大方の読者が欲求不満を覚えることだろう。しかし、物語はこれで完結しているのではなく、やがて来るべき続篇への壮大な伏線なのではないかという気がする。
ところで、この小説を映像化するなら、関西出身という設定の美冬役は、ひところの沢口靖子がぴったりだったと思う。ネイティブの関西弁が喋れて、妖しさプンプンの女優は他にいるだろうか。もっとも、今となってはさすがに年を取りすぎているが。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
あと2シリーズくらいで沢口靖子さんがピッタリかと。(笑)
たしかラストの書評に、早く次作を書かないと雪穂(美冬)が年老いてしまうぞ、みたいなことが書かれていたような。
話は変わりますが、つい先日、嫁が「白夜行」を3ヶ月かかって読破し、次の幻夜を読みたいがために早く吉野練習会に行けとせっつかれている次第でして・・(^^ゞ
福知山までに吉野LSDあればお誘いくださいませ。
投稿: けんあん | 2008/10/19 23:01
けんあんさん
随分前にお借りしておきながら
読むのが遅くなってしまいました。
早くお返ししたいのですが、
来週再来週はペース走の予定ですので
次に吉野LSDに行くとすれば
11月8~9日の週末になりますね。
もしよろしければメールで。(笑)
投稿: まこてぃん | 2008/10/20 21:57