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2008/09/05

正鵠

政治の話題は意識して避けているけれども、昨日の朝日新聞夕刊に掲載された福田首相辞任に関する佐伯啓思氏の論評には大変感銘を受けたので、自らの記憶のためにも抜粋して記しておく。

 ・・・政治運営の行き詰まりをもたらしたものは、いうまでもなく衆参のねじれ現象である。このねじれ現象がある限り、誰が首相であろうが、よほどの支持率をえられなければ、政治は機能しない。ではこの「ねじれ」を作りだしたものは何か。四年前の小泉氏による郵政選挙では自民が大勝し、昨年の参院選では民主が大勝した。つまり、「民意」が大きく揺れ動いたからである。
 では「民意」を大きく動かしたのは何かといえば、確たる政策選択があったわけではない。四年前、自民党を大勝へ導いたものは、「小泉劇場」という多分に情緒的なパフォーマンスであり、昨年の参院選で自民党の大敗を導いたものは、「消えた年金」というこれまた多分に情緒的な反安倍ムードであった。
 要するに、この数年の日本の政治は、二大政党制による政策選択という掛け声とはほど遠く、著しく情緒的で短絡的な、その場限りの「民意」に左右されるようになっている。小泉政治が、世論の支持を調達するために政治を「劇場化」したことは間違いなく、同時にまた、マスメディア(特にテレビ)がこの手法の共犯者となった。「民意」なるものは、マスメディアと連動した、大衆の情緒や不満の瞬間的発露という様相を呈するようになったのである。
 (中略)今日の政治の不安定を作り出したものは、基本的には、情緒的に浮動する「世論」であり、また、その「世論」や「支持率」に振り回されて定見を失った政治家なのである。

「政権禅譲説」を糊塗するためだけの総裁選という茶番劇を経て誕生する麻生新総理も、支持率の上下に一喜一憂するうちに解散総選挙を迎え、ご本人の度し難い失言癖でこれまた早期に失脚するものと予想する。カリスマ的指導者でも登場しない限り政治の不安定がなくならない今日の状況は危機的である。

9月4日 ビルドアップ10キロ
9月5日 ジョグ10キロ

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