セルのベートーヴェン全集
すこし前の高橋さんの記事に刺激されて、ジョージ・セルのベートーヴェン交響曲全集を入手(10枚組で9000円以下!)、ようやく全曲を聴き通した。オリジナルのジャケットとレーベルをそのまま使用したデザインも凝っている。4&8番のLPは持っていたが、リミックスCDの音質は素晴らしく、1960年前後の録音とは信じられないほどだ。
もちろん4&8番も良かったが、最も感銘を受けたのは「英雄」と第7番。前者は冒頭の2つの和音からして緊張感で胸が締め付けられる思い。後者の特に終楽章はひたひたと迫り来る音楽の迫力に言葉を失った。
第9の終楽章はロバート・ショー指揮の合唱団の力強い歌唱もさることながら、独唱陣まで完璧にコントロールしているのはセルの面目躍如といったところ。とりわけ832小節以下の Poco Adagio は、普通なら独唱陣のルバートに任せて歌わせるところを、ここでのセルは4拍きっちりと棒を振って歌わせているのが目に見えるようだ。彼しかなしえなかった驚異的な演奏といえる。
1番、2番、5番も素晴らしい。しかし、唯一「田園」だけはセルの芸風に合わないのか、何度聴いても他の曲ほどに心に迫るものがない。そこだけは画竜点睛を欠くと言うべきかもしれないが、全集としてこれほどの水準のものはないし、これからももう出ないかもしれない。
3月1日の練習内容 LSD40キロ
3月2日の練習内容 ジョグ10キロ
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コメント
おお!友よ!って感じです(^^;。
このセル全集、私は第2番が一番気に入ってます。
もうこれ以上のものがあろうか?というほどです。
セル・クリーヴランド、まさにプロのオケって感じですね。
でも私はセベランスホールは経験したことがなく。
また夏に大阪に行くので、あのお店で冷酒飲みながら、
音楽談義を(^^)。
投稿: 高橋 | 2008/03/03 21:48
高橋さん
紹介していただいたおかげで
素晴らしい全集を堪能しました。
第2番、いいですねえ。
K大の定演で吹いたことがあるのですが
こんなにも内容のある曲だったとは!
夏の大阪、今年も楽しみにしています。
投稿: まこてぃん | 2008/03/03 23:20