セルのブラームス全集
一部音楽ファン(?)の間に時ならぬブームを巻き起こしているジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の名演。ベートーヴェンに続いてブラームスの交響曲全曲を聴いた。
古典的な様式美の中に滾るようなロマンの熱気を封じ込めた19世紀の奇蹟のような4曲は、そのまま指揮者セルの芸術の特質に通じるものがある。ここで聴かれる音楽は何の気負いも誇張もなく、ブラームスの意図が100%完璧に再現されている、そんな感じの演奏だ。
ただ、フルトヴェングラーや、近くはクライバーの第4番がそうであるように、100%を超える演奏というものもまた存在するところが、音楽の面白いところであり、難しいところでもある。
全集中、第3番が一番の名演だと思った。4曲の中で最も規模が小さく、また唯一p(pp)で終わるこの曲は、全体として纏まった演奏にするのがなかなか難しく、決定的名盤というものがあまりないような気がする。このセルの演奏はLP時代からずっと聴いてきたが、やはりこれを超えるものはないと改めて確信した。
CDリミックスで音質も目覚しく改善した。ただ、LPでは第1楽章の59、60小節でセルが1拍ずつ唸っている声が聞こえる(それだけタテを合わせるのに腐心したということだろう)のに、CDではうまく処理されてしまっているのはちょっと残念である。
3月15日の練習内容 ジョグ10キロ
3月16日の練習内容 LSD20キロ
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