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2008/01/26

『スキップ』

Skip北村薫の新たなシリーズ第1作。四六判400頁を超える長篇だが、最後まで全く飽きさせない。写真は文庫版の表紙。版元紹介。

昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた……目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ――でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、《わたし》を生きていく。(引用終わり)

1月25日の練習内容 ジョグ10キロ
1月26日の練習内容 ジョグ10キロ+流し3本

紹介文のとおりの非常にシュールな設定にもかかわらず、不思議なほどの現実感があって、真理子の驚き、とまどい、さらには形容しがたい哀しみに自然に感情移入できる。著者お得意の高校教師の日常をはじめとした「ディテールの勝利」と言えるかもしれない。

「新田君」とただ一度のフォークダンスを踊るところや、旧友「池ちゃん」との再会場面など、思わず泣けてしまった。これまで読んだ著者の作品中では文句なしの最高傑作である。続篇『ターン』『リセット』を読むのが今から楽しみでもあり、少し怖くもある。

ところで、この本の話を高校生の息子にしてやったら、何と中学時代に3冊とも読んだという。うーむ。子供に先を越されるのは口惜しくもあるが、さすがは親子と言うべきか。(苦笑)

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コメント

これ、昔、嵌りました。が、もう詳細は覚えてないです。^^;
主人公が女性ですが、男性でも楽しめるのですね!?
(そんなの関係ないでしょうか?^^;)

投稿: くー | 2008/01/26 21:25

くーさん
お久しぶりです。
北村薫は女子大生「私」シリーズで
覆面作家としてデビューした当初、
おそらく女性に違いないと思われていました。
それぐらい、女性の日常とか心理とかが
見事に描かれているということなのですが、
それは男の側の「ひがみ」かもしれませんね(笑)
男ならそこまで女性のことは分からないだろうという・・。
女性読者にとってはどうなのでしょうね。

投稿: まこてぃん | 2008/01/27 09:54

こんばんは。
↑ご挨拶抜きでいきなり本題失礼致しました。

さて、まこてぃんさんの疑問、今の私にはうまく答えられません。(..ゞ
話がずれるかもですが、男・女ではなく、個人の性格、気質なのかなと思いつつ、
一方でちょっと前、自分のある話を多分男性にはわかってもらえないだろうと最初から
決めつけ、そのある話を女友達に話したところ「私にはそういう気持ちはわからない」
と言われたことがありました。男・女の傾向はあるかもしれませんが、こういうのは
やはり個人の問題なんでしょうか?
北村さんは女性的と思われる思考をお持ちなのか、それとも取材されたのか・・・
どうなんでしょうね。

投稿: くー | 2008/01/28 18:57

くーさん
ちょっと難しい質問でしたね。
でも、確かに男女差より個体差の方が
大きかったりするかもしれません。
北村薫は高校の国語教師だったので、
少なくとも女子高生の日常や思考は
普段からよく観察していたのでしょう。

投稿: まこてぃん | 2008/01/28 23:11

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