『朝霧』
『六の宮・・・』のあまりにディープな文学論議に辟易していたところに、本作の「山眠る」でも俳句についての薀蓄が述べられていて、最初は「またか」と思った。しかし、我慢して読み進むうちに、さりげなく書かれていた「日常の謎」が次第にクローズアップされ、それが俳句に絡んでいることが分かってきて、最後にはなるほどと納得した。
女性の切ない恋心を題材にした「走り来るもの」「朝霧」もなかなか秀逸で、本作で主人公の姉や会社の先輩女子社員が結婚することも“伏線”となって、社会人として歩み始めた主人公がやがて経験するだろう恋愛や結婚に関する次の物語を予感させる。上記版元紹介にあるように、いずれ続篇が出ることになっているのかもしれない。その際には是非とも文学論議は程々にしてもらいたいものだ。(苦笑)
| 固定リンク
« GG二条デビュー! | トップページ | 走り納め »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント