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2007/11/20

『秋の花』

01663北村薫第3作。高野文子イラストのカバーは毎回同じようでいて衣装やデザインが微妙に異なっている。版元紹介。

幼なじみの真理子と利恵を待ち受けていた苛酷な運命――それは文化祭準備中の事故と処理された一女子高生の墜落死だった。真理子は召され、心友を喪った利恵は抜け殻と化したように憔悴していく。ふたりの先輩である〈私〉は、事件の核心に迫ろうとするが……。生と死を見つめ、春桜亭円紫師匠の誘掖を得て、〈私〉はまた一歩成長する。 (引用終わり)

以下、少々ネタバレ注意。

11月19日の練習内容 完全休養
11月20日の練習内容 ジョグ10キロ

初の長篇であると同時に、このシリーズで初めて「死者」が登場する。しかし、通常の推理小説のような犯人探しやトリックの種明かしが本書のテーマではない。前2作に見られる「日常の謎」の言わば極端なケースで、日常生活に潜むちょっとした陥穽が悲劇を招いてしまったのである。

文化祭の準備に励み、幸福な青春時代の絶頂期にあった真理子と利恵。その真っ只中で起きた「事件」の真相を解明していく中で、「私」は人間のはかなさ、もろさを思い知らされる。しかし、それでもなお人間は生きていかなければならない。円紫師匠の次の言葉が重い。

「僕だったら、仕方のない事故だと分かっていても《許す》ことは出来そうもありません。ただ――」「救うことは出来る。そして、救わねばならない、と思います。」

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