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2007/11/14

『夜の蝉』

01662北村薫の第2作。版元紹介。

『空飛ぶ馬』につづいて女子大生の〈私〉と噺家の春桜亭円紫師匠が活躍する。鮮やかに紡ぎ出された人間模様に綾なす巧妙な伏線と、主人公の魅力あふれる語りが読後の爽快感を誘う。第44回日本推理作家協会賞を受賞し、覆面作家だった著者が素顔を公開する契機となった第2作品集。●収録作品「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」(引用終わり)

11月13日の練習内容 ジョグ5キロ
11月14日の練習内容 ジョグ10キロ

前作に続いて「日常の謎」をテーマにした3篇を収める。本屋のあるコーナーで一部の本が逆向きに並べられていたのはなぜか。チェスのクイーンの駒はなぜ冷蔵庫に隠されていたのか。歌舞伎のチケットを恋人に送ったのに、そこに座っていたのは恋敵だった・・・。

『空飛ぶ馬』と比べて一篇一篇が少し長くなり、それだけに入念な伏線が張られていて、内容が濃くなってきた。主人公と同様、巻を追うごとに成長していく物語なのかもしれない。古今東西の文芸作品の引用は相変わらずだが、多少慣れてきた。本筋とあまり関係ない場合が多く、無視しても差し支えないのだ。(笑)

表題作「夜の蝉」が、これまではっきりしなかった「姉」の人となりや「私」との関係の変容に触れていて、しみじみとした味わいがあった。

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