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2007/11/22

『ダブルオー・バック』

071122_1030011稲見一良のデビュー作。文庫版も既に絶版となり半ば諦めていたが、大阪の図書館に蔵書があることが分かり、出張のついでに借りてきた。カバーの紹介文。

シャクリと呼ばれるポンプ・アクション6連発銃、ウインチェスター・M12。その銃を手にした男たちのそれぞれの生き方――自分の射撃スタイルに最後まで固執した選手、一人前の男として生きる姿勢を身をもって息子に教えた父、悪徳養豚業者と戦う陽気なマスター、スパイらしき男と闘争を余儀なくされた老人。銃が人手を巡り、生みだされた四つの切ない物語。ハードボイルド連作短編。(引用終わり)

11月21日の練習内容 ジョグ10キロ
11月22日の練習内容 ビルドアップ15キロ

今は亡きこの著者の本は既に大部分を読んだが、こうやってデビュー作に辿り着いてみると、男の優しさや潔さ、少年のような冒険心といった、彼の物語を構成する要素の全てが、萌芽のような形でここに包含されていることに気づかされる。

紹介文にあるとおり、一丁の猟銃が4人の手に次々と渡っていくという設定の連作短篇集だが、各篇ごとの銃の所有者の個性を反映した、それぞれ異なる味わいがある。中でも、ハードボイルドの大ファンで、時々映画のヒーローになりきった夢を見る癖をもつ、愛すべき主人公「三郎」が大活劇を繰り広げる第三篇「アーリィタイムス・ドリーム」は、全篇の半分ほどの紙数をもつ力作中篇となっている。様々なハードボイルド映画の引用やパロディも満載で、上質のエンターテインメントとしての完成度の高さを早くも示している。

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