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2007/10/26

『海峡を越えたホームラン』

Untitled引き続き関川夏央。双葉社文庫。初出は同社の「週刊漫画アクション」での連載だったとのこと。講談社ノンフィクション賞受賞作が漫画雑誌から出たというのは、漫画にも造詣が深い著者らしい。版元紹介。

発足間もない韓国プロ野球に身を投じた在日コリアン選手たちの、「祖国という名の異文化」との格闘の日々を鮮やかに描き出した名著。従来の韓国・朝鮮観を一変させたノンフィクション。新版文庫化への長いあとがき付き。(引用終わり)

10月25日の練習内容 ジョグ10キロ
10月26日の練習内容 ジョグ10キロ

タイトルから「野球もの」を予想していたが、またしても見事に裏切られた(笑)。また、この著者の文章は読み解くのに時間がかかるのは、こうしたルポルタージュものでも同様で、やたらに注釈が多いというせいもあるが、文庫1冊読むのに10日もかかってしまった。

紹介文にあるように、福士明夫、宇田東植、石山一秀といった在日コリアン選手が「祖国」の韓国プロ野球界に転身、プレーする中で出会ったカルチャーショックを丹念に取材することで、祖国の血が流れる彼らにとってすら「近くて遠い国」である韓国の社会経済や文化の実相を描き出そうとした労作である。

とりわけ、次のような文章には非常な説得力を感じる(「長いあとがき」から)。

どうしても日本は東に向いて生きてきましたから、西にある国に対しては閉ざされている状況が強かったですよね。東側を向いた視線が最後にたどりつくのが韓国なんですね。北アメリカ大陸を越え、ヨーロッパ半島を越え、シベリアを越え、地球をひとめぐりしてようやく韓国へやってくるわけです。だから、近くて遠い国、というのは非常にパラドクシカルというか、ときには嘘だったわけですよ。現実には、地理的に非常に遠い国だったわけです。

(韓国も)やはり東向きだと思います。(中略)ところが東を見ますと、どうしても日本が見えます。見たくなくても見えてしまう。韓国にしてみれば、日本はとうてい無視しきれない巨大かつ強大な国なんですね。(中略)つまり、韓国にとって日本とは巨大なレンズであるともいえます。透明ではない、少し曇ったレンズ。近世以降、日本は逆に韓国をレンズとしたことはないですね。このへんが韓国のつらいところであり、悔しいところであったと思います。相手が自分をかなり無視しているのに、自分は相手の挙動を逐一観察せざるを得ないと。

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コメント

こんばんは 
いつも本の紹介読ませてもらっています。
いつもは学習センター付属図書館を利用しているので、読みたい本も限られていたのですが、久し振りに市立図書館に行ったら、ネットで蔵書の検索や貸し出し予約してメールで通知してくれるようになってるんですね。
貸し出し受付も、自分で機械を操作して短時間で出来るみたいなので、利用しやすくなりました。
今日は、とても嬉しくて得した気分になりました。
紹介されてる本も、手元にとりよせやすくなったので、また読ませていただきます。

投稿: オッカー | 2007/10/27 20:40

オッカーさん
うちの市立図書館では蔵書検索までですね。
ネットで予約とかできれば便利でしょうけど
人気の新刊本などは予約が殺到してしまうかも。
また面白い本があったら紹介して下さいね。

投稿: まこてぃん | 2007/10/28 07:36

そのとうりでした。
宮部みゆきの新刊は300人以上待ちでした。
いつになったら順番がまわってくるのやら。
それよりも、図書館に行っても新刊コーナーに本は全くありません。
図書館に行って現物を手にとって借りる人は、とても不便(条件が悪く)なりました。

投稿: オッカー | 2007/10/28 09:33

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