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2007/06/30

『真相』

Shinso引き続き、横山秀夫。初出は『小説推理』。人物、テーマがそれぞれ異なり、いわゆる連載ものではないが、似たような味わいのある短篇集である。版元紹介。

犯人逮捕は事件の終わりではない。そこから始まるもうひとつのドラマがある。──息子を殺された男が、犯人の自供によって知る息子の別の顔「真相」、選挙に出馬した男の、絶対に当選しなければならない理由「18番ホール」など、事件の奥に隠された個人対個人の物語を5編収録。人間の心理・心情を鋭く描いた傑作短編集。(引用終わり)

6月29日の練習内容 完全休養
6月30日の練習内容 ジョグ10キロ
月間走行距離 454キロ    

紹介文がよく出来ているので、さして補足することはないが、上記2篇に続く「不眠」は、会社をリストラされながらも、息子の将来を案じて止まない父親の悲哀が痛切に胸に迫る。また、最後の「他人の家」は、『動機』所収の「逆転の夏」同様、過去を隠して生きる前科者の辿った数奇な運命の物語だが、一見非現実的でありながら、妙にリアリティがあって引き込まれた。

犯罪、事件など警察絡みのテーマを得意としてきた作者だが、ここでは松本清張のような人間観察の鋭さ、厳しさといった新たな境地を切り開いているように感じた。

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