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2007/06/01

『パプリカ』

Paprika_1『敵』以来、久々に筒井康隆を読んだ。初版発行は1993年、例の断筆宣言の直前に当たる。新潮文庫の紹介文。

精神医学研究所に勤める千葉敦子はノーベル賞級の研究者/サイコセラピスト。だが、彼女にはもうひとつの秘密の顔があった。他人の夢とシンクロして無意識界に侵入する夢探偵パプリカ。人格の破壊も可能なほど強力な最新型精神治療テクノロジー「DCミニ」をめぐる争奪戦が刻一刻とテンションを増し、現実と夢が極限まで交錯したその瞬間、物語世界は驚愕の未体験ゾーンに突入する!(引用終わり)

以下、ややネタバレ。

5月31日の練習内容 ジョグ15キロ
5月の月間走行距離  483キロ
6月 1日の練習内容 ジョグ10キロ

紹介文を読んだだけではチンプンカンプンだが、さすがに希代のストーリーテラーだけに実際は意外にスラスラ読める。敵味方が最初からはっきりしていて、ストーリーもそれほど複雑ではない。最後の最後にドンデン返しがあると思っていて、肩透かしを喰らったほどだ。

「夢から醒めた夢」というミュージカルがあるけれども、物語の後半第二部ではまさにそれを地で行く。DCミニの作用によって敦子=パプリカは「完全に」覚醒できないまま、敵の夢が自分の夢の中に乱入して暴れ回る。かなりの想像力を必要とするけれども、なかなかスリルがあった。

ところで、DCミニの発明者で、敦子がいつしか惹かれてしまう同僚の時田浩作は、体重100キロの巨漢でありながら、オタクっぽい喋り方で、かなりのマザコン男である。はて、どこかで見たキャラだと思っていたら、以前読んだ奥田英朗の『イン・ザ・プール』の主人公、精神科医・伊良部一郎とそっくりだった。奥田はきっとこの時田を下敷きにしたに違いないと、私は密かに睨んでいる(笑)。

ところで、この作品の映画化はほぼ不可能と思われるが、実は既にアニメ映画化されて昨年秋に封切られていて、偶然つい先週にDVDがリリースされたところだった。近いうちにレンタルして観てみよう。

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