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2007/05/18

『花見川のハック』

Hanamigawa稲見一良の遺作集。単行本は既に絶版。文庫本も品切れ重版未定という。アマゾンの紹介文。

俺はもうまもなく死ぬだろう…ガン宣告を受けてから覚悟の十年、残された日時に刻みつけるように小説を書いた作家・稲見一良。男らしい優しさを追い求め、花見川の自然を呼吸し、ときに少年の憧憬さえ甦る。本作品集は、腹水がたまり半身になりながら、虫の息で原稿用紙に鉛筆をなぜるように書いた遺作の数々である。死を目前にして、透徹したまなざしで人生を見つめた珠玉の物語。

5月17日の練習内容 ビルドアップ11キロ
5月18日の練習内容 ジョグ10キロ

これでとうとう読み納めかと、噛み締めるようにじっくり読んだ。物語に引き込まれてページを繰っていくにつれて残りが少なくなっていくのが恨めしかった。掌篇12作を収めるが、西部劇映画がきっかけで親しくなった少年と老作家が自衛隊の輸送機を奪うに至る巻頭の「オクラホマ・キッド」から、読者はいきなり稲見ワールドに引きずり込まれる。

紹介にもあるように、本作品集は死を目前にした稲見が文字通り命を削るようにして書いたものだ。複雑なプロットの長篇は当然もう無理な話で、これらの掌編ですらストーリーに飛躍があったり、結末がやや尻すぼみだったりと、作品として未完成な印象を与えるものもある。事情が分かるだけに大変痛ましいが、それだけになおさら、稲見が死の床にあって最後まで言いたかったことが、直接に胸に響いてくる。合掌。

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