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2007/04/18

お熱いのがお好き

東京の銭湯はやたらに湯が熱い。といっても、経験したのは御徒町の燕湯と神田の稲荷湯ぐらいだが、大体43度から45度もある。燕湯では「湯がぬるいときは番台に申し出るように」との注意書きまで貼られている。江戸っ子はどうしたものか、よくよく熱い風呂が好きなのだろうと思っていたが、最近手にした本で次のような記述を読んで、やっと腑に落ちた。

口入屋の伊之助と幇間の浜吉は幼なじみの親友で、銭湯で朝風呂に浸かって寛いでいるところである。

(引用ここから)
伊之助は熱いのを我慢して、湯船に浸かっている。(中略)朝湯であるため、湯の温度がいちだんと高かったが、これ以上、うめてくれと言えば、他の客たちから文句があがるのは間違いないのでこらえている。(中略)
人のせいにして、浜吉は涼しい顔をしたいところだろうが、湯が熱すぎてそれどころではない。が、伊之助が出ないうちはと、けんめいに涼しい顔を装っていた。(中略)
そろそろ辛抱も限界になってきたのだろう。浜吉は真っ赤な顔をしている。湯をあがるにも簡単にはいかないのが面倒なところ。浜吉は負けじと言い返した。
「てやんでえ。石川五右衛門は四条河原で釜ゆで、八百屋お七は火あぶりの刑よ。なんだ、湯ぐらい。屁でもねえや」(中略)
「熱くなんかねえぞ、熱くなんか、ねえ。ねえぞ。熱くなんか。おーい、大丈夫か、おーい、石川五右衛もーん」
呼びかけるふりをして、立ち上がった。それが勝負のついた証、にやにやして、伊之助も立ち上がる。
「石川五右衛門がどうしました」
「いや、さぞ熱かっただろうと思ってよ。おいらがその分まで、涼んでやらなきゃなるめえさ」
ようやく熱い湯を出て、二人は流し場に行った。
(引用ここまで。出典=六道慧『いろは双六屋 明烏』徳間文庫)

いやはや。風呂に入るのも意地の張り合いで、江戸っ子は大変なのだ。(苦笑)

4月17日の練習内容 完全休養
4月18日の練習内容 ジョグ10キロ

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