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2007/02/11

『セント・メリーのリボン』

Saintmary稲見一良の2冊目。既にこの世にない作者の遺した数少ない本だけに、じっくり味わうように読んだ。版元紹介。

失踪した猟犬捜しを生業とするアウトロー探偵・竜門卓の事務所に、盲導犬の行方をつきとめる仕事が舞いこんだ。相棒の猟犬ジョーとともに調査を進めるうちに、薄幸な、ひとりの目の不自由な少女のもとに行きつくが、やがて……。(表題作)
限りなく優しい誇り高い男たちの人間模様を、無駄のない文体とハードボイルド・タッチで描いた、感動を呼ぶ珠玉の作品集!(引用終わり)

2月10日の練習内容 完全休養
2月11日の練習内容 完全休養

作者自身「あとがき」の中で述べているとおり、本書は「誇り高い男の、含羞をこめた有形、無形の贈り物」を共通する主題とする5篇を収める。

「含羞」とはまた、何といい言葉だろう。そして今、有名無名を問わず、その正反対の男の何と多いことだろう。

5篇中では、本格派ハードボイルド仕立ての表題作が秀逸である。主人公竜門も当然格好いいが、盲導犬捜索の依頼に現れたヤクザの女・金桂花がまた魅力的だ。『ダック・コール』では、「キャサリン」なる老女を除いて、女の「お」の字もなかったというのに。

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コメント

限りなく優しく誇り高い男たち、格好いいですよね~
私も表題作が一番好きです。
全然違うのに、読んだ後O.ヘンリーが頭の中をよぎりました。
心が温かくなったということでしょう。

投稿: 勧めたある人 | 2007/02/12 10:17

勧めたある人さん、こんばんは。
O.ヘンリーですか。
盲目の少女への献身的な態度は正にそうですね。

表題作の続篇に当たるのでしょうか、
『猟犬探偵』をこれから読むところです。(^^ゞ

投稿: まこてぃん | 2007/02/12 20:20

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