『セント・メリーのリボン』
作者自身「あとがき」の中で述べているとおり、本書は「誇り高い男の、含羞をこめた有形、無形の贈り物」を共通する主題とする5篇を収める。
「含羞」とはまた、何といい言葉だろう。そして今、有名無名を問わず、その正反対の男の何と多いことだろう。
5篇中では、本格派ハードボイルド仕立ての表題作が秀逸である。主人公竜門も当然格好いいが、盲導犬捜索の依頼に現れたヤクザの女・金桂花がまた魅力的だ。『ダック・コール』では、「キャサリン」なる老女を除いて、女の「お」の字もなかったというのに。
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コメント
限りなく優しく誇り高い男たち、格好いいですよね~
私も表題作が一番好きです。
全然違うのに、読んだ後O.ヘンリーが頭の中をよぎりました。
心が温かくなったということでしょう。
投稿: 勧めたある人 | 2007/02/12 10:17
勧めたある人さん、こんばんは。
O.ヘンリーですか。
盲目の少女への献身的な態度は正にそうですね。
表題作の続篇に当たるのでしょうか、
『猟犬探偵』をこれから読むところです。(^^ゞ
投稿: まこてぃん | 2007/02/12 20:20