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2006/10/15

『ガール』

Girl奥田英朗の2冊目。ご覧のような可愛らしい装丁に少し引いてしまった(苦笑)。版元紹介も一風変わっている。

30代。OL。文句ある?

さ、いっちょ真面目に働きますか。
キュートで強い、肚(はら)の据わったキャリアガールたちの働きっぷりをご覧あれ。

<こんなお心あたりのある方に、よく効きます。>
●職場でナメられてる、と感じた
●親に結婚を急かされた
●若い後輩の肌つやに見とれた
●仕事で思わずたんかをきった
●ひとめぼれをした
●子どもの寝顔を見て、頑張ろうと思った

きっとみんな焦ってるし、人生の半分はブルーだよ。既婚でも、独身でも、子供がいてもいなくても。(引用終わり)

10月14日の練習内容 2キロ走(7分40秒程度)×5本を含む14キロ
10月15日の練習内容 LSD40キロ

「小説現代」に連載された、いずれも30代OLを主人公とする5本の短篇が収録されている。5人の主人公は既婚(子供なし)、バツイチのシングルマザーが各1人、他の3人は独身で、嫌な言葉だが少し前には「負け犬」と呼ばれていた女性たちである。

しかし、5人とも仕事はしっかりこなす一方で、プライベートの生活も十分エンジョイしている。職場の上下関係や男社会との軋轢で苦労するけれども、周囲に理解者を得て明るく乗り切っていく彼女たちに暗さは微塵もない。いずれの作品も最後はハッピーエンドで結ばれているのが、『邪魔』とは別の意味で、少し「甘い」ような気もするが、あまりにリアルだと救いがなくて、気が滅入ってしまうだろう。

5篇の中では、美男子の新入社員の教育係を仰せつかった34歳の独身OL小坂容子の心のときめきを活写した最後の作品「ひと回り」が秀逸だ。そう言えば、「anego」というドラマがあったっけ。篠原涼子主演でドラマにしても面白いかもしれない。

容子の心情を述べた次のくだりは、この本のキモと言ってよいだろう。

「容子自身の気持ちを言えば、結婚で生活を変えたくなかったからだ。仕事も自由も恋愛も、ひとつとして失いたくなかった。三十四になった今は、ここまで来て妥協したくないのと、そろそろ結婚しないと一生独身かもしれないという不安とが半々だ。その決断が下せないから、日常に流されている。本当の望みは、時間が止まってくれることだ」(引用終わり)

ところで、この本を読んでいて松任谷由実(由美ではない。きっこさん、ありがとう。(笑))の「メトロポリスの片隅で」という歌を思い出した。”♪私は夢見る Single Girl”という辺りが、この本の内容とぴったりなのだ。

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