『あの頃こんな球場があった』
佐野正幸著。この人は西本幸雄監督の大ファンで、それが縁で近鉄百貨店に入社し、近鉄応援をライフワークにしたという経歴の持ち主だ。かつて近鉄バファローズの情報誌に連載を書いていたので名前を覚えている。版元紹介文は次のとおり。
下町の夜空を彩った東京スタジアム、ボロ球場と馬鹿にされながら名勝負を量産した川崎球場、繁華街のど真ん中にあった大阪球場など、十六球場の知られざる物語。
紹介に出ていない13球場は次のとおり。後楽園、横浜平和、早大安部、西宮、日生、藤井寺、平和台、県営宮城、札幌市営中島、洲崎、上井草、武蔵野グリーンパーク、駒澤。私が行ったことがあるのは川崎、大阪、後楽園、西宮、日生、藤井寺の5球場だけだが、本書のタイトルどおりいずれももうこの世に存在しない。しかし、それぞれの球場が持っていた独特の雰囲気は、付近の風景と合わせて今も鮮明に記憶している。
本書はそうした球場の「空気」をよく描いている。著者は元々文筆業が商売の人ではなく、失礼ながら作家のような名文を期待する方が間違っているが、それを補って余りあるほどの野球と球場への愛着が随所に溢れていて、十分に読ませる1冊となっている。太田幸司が近鉄に入団するまで、日生球場に女性用トイレがなかったという話など、驚くようなエピソードも多い。また、北海道マラソンのフィニッシュ地点である札幌中島公園に、ごく最近まで球場があったことなど全く知らなかった。
さて、野球観戦ではバックスクリーン横の外野席が決まりだった私から、1点だけ補足を書いておこう。
「藤井寺球場の外野スタンドには蝙蝠(こうもり)が棲んでいた!」
悲しいけれど、紛れもない事実である。
7月31日の練習内容 ジョグ10キロ(月間走行距離 515キロ)
8月 1日の練習内容 完全休養
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