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2006/07/21

『日常茶飯事』

引き続き山本夏彦氏の本。新潮文庫の紹介文は以下のとおり。

「人間の見物人」「死ぬの大好き」などの名言で、数多のファンを獲得した山本夏彦の処女コラム集。43年前に雑誌「室内」ではじまり、死の直前まで続いた名物連載の最初の一冊。なのに、今読んでもまったく変わらず、痛烈かつ新鮮。すでにして名人だった技とキレを存分に堪能できる。「この国」「迎合」「わが女性崇拝」など、永遠のテーマとも出会える。夏彦ファンならずとも必読の書。

単行本は昭和37年の刊行で、40年以上も昔になるが、時折顔を出す風俗・世相などへの言及を除けば、内容は全く古さを感じさせない。「すでにして名人だった」というより、流行を追い時流に乗ることで進歩し、成長したかのように錯覚しているのが凡人(氏の用語で言えば「凡夫凡婦」)であるとすれば、山本夏彦氏の慧眼には、その裏に潜む昔も今も変わらぬ人間社会の本性が全部お見通しであるということなのだ。

「つむじ曲り」の次のような記述を読んで、氏の足元にも及ばないながらも「偏屈者」を自認する私としては大いに膝を打ったのであった。

私は何事にも逆らって、しかも「何でも反対党」とは相違する。相違しなければ、それはわが沽券(こけん)にかかわる。何でも反対党は、あらかじめ反対することが分かっていて、その通り反対するのだから、首ふり人形みたいなものだ。あんなものを、つむじ曲りの仲間にいれてやるわけにはいかない。(中略)わが反対には一貫した筋道があるのである。私は何でも巨大なもの、えらそうなもの、権威ありげなものなら疑うだけである。大勢が異口同音に言うことなら、胡乱(うろん)だとみるだけである。

7月20日の練習内容 ビルドアップ10キロ
7月21日の練習内容 ジョグ10キロ

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