『ひとことで言う』
引き続き、山本夏彦の本である。週刊新潮に連載した「写真コラム」の名言至言を集めて「箴言集」としたものだが、出版社がピックアップした「箴言」よりも、山本氏自身がつけたオリジナルのコラムのタイトルの方が遥かに面白い。「タイトル作家」を自称した氏の面目躍如といったところである。
例を挙げると、「健康な人は本を読まない」「タイトルばかりが人生だ」「ファーストクラスに丹前出せ」「保険は常に払い渋る」・・・といった具合。気が利いていて、思わず読んでみたくなるタイトルばかりだ。
ところで、最近日経新聞の社員がインサイダー取引で逮捕されたが、山本氏は昭和63年に既にこんなことを書いている。リクルート事件が世間を騒がせていた頃である。
「日経は株の情報を衆に先んじて得る。したがって社員は株を買うことを禁じられている。それなのに早く社長が買ったのである。社長が買うなら社員も買っているに違いないと思われても仕方がない」
山本氏の見立ては正鵠を射ていたのだ。しかし、本当に秀逸なのはこの続きである。
「日経の信用は地におちて部数は激減するかというとしない。日経の読者はマネーゲームと財テクをしているか、することを欲している亡者で、したがって日経とぐるだからである」
まさにその通り。今回の事件でも同じことだろう。恐るべき観察眼の鋭さである。
7月27日の練習内容 ペース走20キロ(キロ4分半程度)を含む24キロ
7月28日の練習内容 ジョグ10キロ
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