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2006/06/01

NHK電波削減はなぜ必要なのか

最近、新聞で気になる記事を目にした。竹中総務大臣の私的懇談会「通信・放送懇談会」が、NHKのテレビ・ラジオ合計8チャンネルのうち、BS2波、ラジオ1波を削減する経営合理化案を、近くまとめる最終報告書に盛り込む方針を固めたというものである。

BSはハイビジョンと、BS1かBS2のいずれか1波が、ラジオはAM第二かFMのいずれか1波が、それぞれ削減対象になるらしいのだが、こんな大事なことが一大臣の「私的」な「懇談会」なる場所で、視聴者に何の相談もなく勝手に決められてしまっていいのか。

BSについては分からないでもない。地上デジタル放送が本格化した今日、わざわざBSでもハイビション放送をする意義は薄れているし、難視聴対策のためのBS1、2複数チャンネル制もその役割を終えつつある。将来的にチャンネル数を削減することに合理的な理由がないわけではない。

問題はラジオだ。AM第二は各種語学講座、教養講座のみならず、定時の気象通報も放送している。これを廃止するとなると、国民生活への影響は甚大である。また、FMについても、民放FM局のある大都市圏ならいざ知らず、地方ではFMはNHKだけというところはまだまだ多い。何を隠そう、我が奈良県でもお隣京都の民放FMは受信できるが、ミニコミ局を除けば民放FMはまだ1局もない。田舎の人間には音楽放送は要らないとでも言うのだろうか。

個人的な話で恐縮だが、私としてはどちらが廃止されても非常に困る。毎日ラジオからタイマー録音するAM第二の英語講座とFMのミュージックプラザは、通勤途中の貴重な勉学と娯楽の時間を提供してくれているのだ。

同じ立場の人は多いと思う。これだけ豊富で質の高い各語学講座は他に類を見ないし、クラシック音楽のみならず日本の古典芸能から民謡まで幅広いジャンルをカバーするFM放送は、民間FM局がどう逆立ちしても担い得ない文化的意義を持っているのだ。

そもそも、一体なぜNHKの電波を減らさなければならないのか。経営合理化のためと言うなら、人件費や番組外注費など削減すべきところは他にいくらでもある筈だ。それよりも、素人にも分かりやすい形で合理化の成果を手っ取り早く見せたいという、竹中氏一流のスタンドプレーのような気がしてならないのである。

それとも、NHKだけが8つも電波を持っていることに対する民放各局の反発ないし嫉妬でもあるのだろうか。それならば反論したい。民放TVは昼間、何を放送しているのか。昔やったドラマの再放送ばかりではないか。BSデジタルは何を放送しているのか。ドラマの再放送ならまだしも、テレビショッピングばかりではないか。

民放ラジオ局はさらに惨憺たる有様だ。夜は野球中継で何とか聴取率を稼いでいるが、昼間のトーク番組を聴いてみるがよい。一度スタジオを見学したことがあるが、出演者は決められたCMタイムだけを気にして、それまでの時間を一般人の井戸端会議と何ら変わることのないただの雑談で繋いでいるだけだ。ロクな放送ソフトを作る能力もない民放が、NHKが8波持っていることにやっかみを言ったところで、それはお門違いというものだろう。

広告収入が全ての民放には出来ない番組作り。それが公共放送たるNHKに課せられた使命であり、存在意義でもある。もちろん、経費不正使用問題などが次々に明るみに出たNHKには、解体的出直しをしてもらわねばならない。トンネル子会社との不明朗な下請関係にもメスを入れる必要がある。

しかし、そうした経営合理化が必要なことは、受信料不払いの増加に直面したNHK自身が、誰よりも身に沁みて分かっているはずだ。NHKには是非、自らの手で経営改革を成し遂げてほしい。それこそが、国民の受信料に支えられた公共放送として果たすべき責任であろう。役所の仕事はその過程をしっかりチェックすることであって、どの電波を削減せよなどと事細かに指図することではない。総務省の余計なお節介は、NHKの自主的な改革を妨げるだけである。

なお、雑誌『選択』6月号に「『竹中NHK改革』の不可解 誰もチャンネル削減など望んでいない」と題する記事が掲載されている。視点は多少異なるものの、ほぼ同じ論旨であることを付言しておく。

6月1日の練習内容 ビルドアップ15キロ

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