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2006/04/18

『下流社会』

三浦展(みうらあつし)著。光文社新書のベストセラーである。読書ネタは久しぶりだ。髙村薫『リヴィエラを撃て』をじっくり再読しているということもあるが、春眠何とかで最近電車で居眠りしていることが多いからだ(笑)。例によって版元紹介文から。

「下流」とは、単に所得が低いということではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低いのである。その結果として所得が上がらず、未婚のままである確率も高い。そして彼らの中には、だらだら歩き、だらだら生きている者も少なくない。その方が楽だからだ。(「はじめに」より)
「下流社会」とは具体的にどんな社会で、若い世代の価値観、生活、消費は今どう変わりつつあるのか。マーケティング・アナリストである著者が豊富なデータを元に書き上げた、階層問題における初の消費社会論。(引用終わり)

最近の新書は(別に新書だけに限らないが)話題性とかタイトルの面白さで売るようなところがあり、同じ出版社の『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』という新書もその類だろう。ということで、若干キワモノめいた本かもしれないという先入観で読み始めたが、まあ半分は当たっていた。

大体、分析の元になった「豊富なデータ」からして、首都圏の1都3県在住の800人を対象にした調査である。著者自身が「あとがき」で認めているように、いかにもサンプル数が少ない上に、首都圏の住人を対象にした意識調査だけによる分析は局所的と言わざるをえない。

それでも、わが国の社会で起こりつつある格差拡大、あるいは階層の固定化といった現象の背景について、その一端に過ぎないにしても、かなり説得力のある説明がなされている部分もある。例えば、以下のような箇所である。

現在の30歳前後の世代(団塊ジュニア世代)は、少年期に(バブル経済の恩恵で)非常に豊かな消費生活を享受してしまった世代であるため、今後は年をとればとるほど消費生活の水準が落ちていくという不安が大きい。これは現在の40歳以上にはない感覚である。
現在の40歳以上の世代の場合は、少年期は貧しく、20代、30代と加齢するにつれて消費生活が豊かになり、生活水準が向上していった。だから、仕事が大変でも耐えることができた。(中略)
ところが、現在の30歳前後の世代は、少年期の消費生活が豊かすぎたために、社会に出てからは、自由に使える金と時間の減少としか感じられない。(中略)
普通の所得の人が、今後の所得の伸びを普通に期待しながら結婚し、子育てをするという展望が描きにくい時代になっているのである。(引用終わり)

著者も述べているように、こうした「仮説」が今後より精緻に検証されていくことが望まれるだろう。

ところで、「はじめに」に次のようなテストがあった。

【あなたの「下流度」チェック】…半分以上当てはまれば、あなたはかなり「下流的」

□1 年収が年齢の10倍未満だ
□2 その日その日を気楽に生きたいと思う
□3 自分らしく生きるのがよいと思う
□4 好きなことだけして生きたい
□5 面倒くさがり、だらしない、出不精
□6 一人でいるのが好きだ
□7 地味で目立たない性格だ
□8 ファッションは自分流である
□9 食べることが面倒くさいと思うことがある
□10 お菓子やファーストフードをよく食べる
□11 一日中家でテレビゲームやインターネットをして過ごすことがよくある
□12 未婚である(男性で33歳以上、女性で30歳以上の方)

私は5つ該当したので(どれかは内緒)、辛うじて「下流」の一歩手前というところか。というか、
□13 定価780円のこの新書本を2か月待ってまで図書館で借りて済ました
私は、それだけで十分に「下流」だと思う(苦笑)。

4月18日の練習内容 ジョグ10キロ

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コメント

私は「買って」読みましたし、自分が下流という認識もないし、該当項目も3つだったのですが、一番ショックな項目が該当していてチョットへこんでいますぅ(泣)。

投稿: ピカピカ | 2006/04/19 00:16

ピカピカさん
お久しぶりです。

ロゲインの入賞おめでとうございます。
最初、24時間戦うのかと思いました(爆)。

該当項目3つってどれかなあ(興味津々)。

投稿: まこてぃん | 2006/04/19 11:39

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