『黒い画集』
松本清張著の短篇集。昭和33年9月から35年6月にかけて週刊朝日に連載されたもの。ちょうど私が生まれた頃の作品で、「待合」や「女中」など、時代を感じさせる言葉が出てくるが、人間の欲望と挫折、男女の情念などを丹念に描いたストーリーは、今読んでも全く古びていない。トリックも当時としては極めて斬新だろう。新潮社ウェブサイトの紹介文は例によってそっけない(笑)。
身の安全と出世を願う男の生活にさす暗い影。絶対に知られてはならない女関係。平凡な日常生活にひそむ深淵の恐ろしさを描く7編。
中では、実直で金儲けだけが生き甲斐だった小間物屋の主人が、ある日店を訪れたキャバレーの女に惹かれ、次第に溺れて自ら破滅していく過程を克明かつ残酷に描いた「坂道の家」が秀逸だった。故いかりや長介と黒木瞳(ともに適役!)でTVドラマ化されたものがビデオで出ているらしい。ああ、また週末の時間が・・・(笑)。
3月2日の練習内容 ジョグ10キロ
3月3日の練習内容 ジョグ10キロ
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