『黄金を抱いて翔べ』
普通の人は年末年始に何冊かまとめて本を読んだりするのかもしれないが、通勤電車が書斎の私としては、仕事始めが即ち読書始め。で、これが1冊目。高村薫著。版元紹介はあまりにそっけないので(笑)、アマゾンのサイトから。
銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ。大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは果たして突破可能か? 変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀の奪取作戦の火蓋が切って落とされた。圧倒的な迫力と正確無比なディテイルで絶賛を浴びた著者のデビュー作。日本推理サスペンス大賞受賞。
1月13日の練習内容 ジョグ10キロ+流し1本
1月14日の練習内容 ビルドアップ10キロ(後半5キロをキロ4分)
『レディ・ジョーカー』、『マークスの山』、『リヴィエラを撃て』と読んで、そのたびに感嘆してきたこの作家、やはりデビュー作からしてただものではなかった。旧住友銀行本店、現在の三井住友銀行大阪本店営業部と明らかに分かる建物の地下金庫に眠る金塊を強奪するというストーリーは単純明快だが、大詰めの実際の襲撃シーンの手に汗握る迫力もさることながら、そこまでに至る用意周到な準備工作は、あたかもマラソンの本番レースに臨むアスリートの綿密な練習スケジュールのようで興味深かった。
以前の勤務先である中之島、淀屋橋、肥後橋近辺、それにこの間のスキー旅行など自宅から名古屋方面に出る時によく使う名阪国道の針インターなど、よく知った場所が出てくるのも嬉しかった。それにしても、爆弾の時限装置の作り方や、変電所の効果的な爆破の仕方など、どうやって調べたのだろうなあ。
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