映画『マークスの山』
先日文庫で読んだ『マークスの山』の映画のビデオがようやくレンタルできたので観てみた。95年、崔洋一監督作品。
もとより分厚い文庫本で上下2冊のこの大作を2時間あまりの映画に収めることは土台無理な話である。「マークス」こと水沢(萩原聖人)の恐喝と殺人、恐喝される側の弁護士林原(小林稔侍)、大学理事長木原(岸部一徳)らの焦りと反撃、これを追う合田刑事(中井貴一)ら警察当局の必死の追及という骨格は原作を踏襲しているものの、全ての発端となった71年の南アルプスでの事件の真相や、それを水沢が知った経緯などはかなり改変されており、小説を読んだ頭のままで観ると多少混乱する。
というか、全体にやや説明不足な感は否めず、あらすじも読まずに観たら事件の展開がよく分からず、残虐な犯行シーンの連続にしか見えないかもしれない。また、看護婦高木(名取裕子)と水沢のラブシーンは迫真の演技だが、いかんせん長すぎる。商業映画である以上は多少は必要なのかもしれないが、物語の本筋からみれば枝葉末節だ。それよりも、林原の完全黙秘で片付けられてしまっている警察側との対決シーンなど、きちんと再現してほしかった。
ということで、小説の復習にはあまりならなかったが、エンターテインメントとしては結構楽しめた。特に最後の北岳山頂のシーンは、(本当の北岳かどうかは分からないが)ヘリからの空撮も含めた大規模なロケを敢行しての撮影で見応えがあった。小説では読者の想像力に任されているだけに、こういうところはやはり映画の勝ちだ。ただし、残虐な犯行現場とアダルトシーンが含まれたR指定作品なので、心臓の弱い人と未成年にはお勧めできない。
10月30日の練習内容 LSD37キロ
10月31日の練習内容 ジョグ10キロ
月間走行距離 361キロ
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