Memento mori
このところ蝉の死骸をよく見かける。通勤途上の道路でも、西京極運動公園の周回路でも、あちこちで仰向けに転がっている。昨夜はどうして迷い込んだものか、駅のホームの上でほとんど死にかけているクマゼミを見た。日中あれだけ喧しく鳴いて、暑さを一層掻きたててくれる蝉も、最後はそうやってみんな死んでいくのだ。
「日本の夏は死の季節だ」と言ったのは誰だったか。とりわけ8月は「死を思う」機会が多い。お盆の伝統行事はもちろん、ヒロシマ、ナガサキ、8月15日。そして20年前の今日、日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落した。最近読んだ『沈まぬ太陽』に生々しく描かれた事故の模様や遺族の悲しみに改めて思いを致すとともに、当時東京勤務で事故機に搭乗する可能性もあった自分が、今もこの世に生を享けて在ることの有難さを思う。
8月12日の練習内容 軽いビルドアップ10キロ
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コメント
まこてぃんさん、こんにちは。
直接事故の話じゃないのですが、横山秀夫の『クライマーズ・ハイ』という小説は、ある地方新聞社が航空機事故という大惨事への対応を迫られるさまを描いています。
取材合戦とか権力闘争とかで右往左往するわけですが、でも現場を見た記者や、遺族に出会ったデスクの衝撃はひしひしと伝わってきます。
山登りの話もからんできて、なかなかの秀作でした。
投稿: meka | 2005/08/12 23:52
mekaさん、こんにちは。
『半落ち』もそうですが、
横山秀夫氏は地方新聞記者としての
経験を生かした作品が多いようですね。
取材して文章に纏めるという仕事は
もともとプロだったわけで・・・(笑)。
投稿: まこてぃん | 2005/08/14 09:26