『灰夜』
『新宿鮫』シリーズ第7弾『灰夜』読了。本来なら第6弾『氷舞』を先に読みたかったが、図書館の本が貸し出し中だったため(笑)。以下は版元紹介。
目覚めたとき、鮫島は闇に包まれた檻の中にいた ― 自殺した同僚・宮本の七回忌に彼の故郷を訪れた鮫島。宮本の旧友と会った直後、周囲で何かが動き出す。麻薬取締官、県警の刑事、地元の暴力団。その深夜、鮫島は拉致された ― 底知れぬ力の影が交錯する中、見知らぬ街で孤立無援の闘いが始まった! 男の誇りと友情をかけた熱い怒りが弾けるシリーズ第7弾。
今回は東京から離れ、晶も桃井警部も登場しない。ただ、晶については前作で鮫島との関係が重大な局面を迎えたことが示唆されている。多分、つい○○しちゃったのだな(笑)。以下、また少しネタバレ。
地形の描写や方言から明らかに鹿児島と分かる舞台設定。警察内部の暗闘に巻き込まれた末に自殺した宮本の七回忌に出席した鮫島は、地元暴力団の麻薬取引を追う麻薬取締官に声をかけられるが、その後2人とも何者かに誘拐される。監禁され警察手帳も奪われた鮫島は、地元暴力団や北朝鮮の秘密工作員、それに県警の悪徳警官まで敵に回して孤軍奮闘する。主要な登場人物が最後には全て死んでしまうが、そうでもしないと事件後の鮫島の立場が危うくなるだろう。登場人物全員が死んでしまうということで、北野武監督の映画『ソナチネ』を連想したが、沖縄が舞台のこの映画に漂う終末感や虚無感といったものはなく、2回の爆発炎上の場面ではある種のカタルシスを感じさせた。
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