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2005/06/10

『屍蘭』

「しかばねらん」と読む。『新宿鮫』シリーズ第3巻。版元紹介文では、

犯罪者たちから「新宿鮫」と恐れられる、新宿署刑事・鮫島。新宿の高級娼婦の元締め・浜倉が殺された。事件に迫る鮫島の前に浮かび上がる産婦人科医「釜石クリニック」。背後に潜む呪われた犯罪とは? だが、鮫島に突然汚職・殺人の容疑が! さらに敵の完璧な罠が「新宿鮫」を追いつめる! 息詰まる興奮、圧倒的な感動! 超人気傑作シリーズ第3弾!

となっているが、引用しておいてなんだけど(笑)、浜倉も釜石も脇役であり、なぜかここには出てこない3人の女性こそが、この作品の主要登場人物である。

(今回も少しネタバレ・笑)

その3人とは釜石クリニックの看護婦島岡ふみ枝、ビューティクリニック経営の藤崎綾香、そして山梨の病院で20年以上も意識不明のまま寝たきりの須藤あかねである。この3人の運命的な出会いが発端となって、殺人、非合法中絶や胎児売買など呪われた犯罪が行なわれる。それを暴こうとする鮫島にも巧妙な罠で襲い掛かり、鮫島は一時は辞職寸前まで追い込まれる。

一見普通のおばさんで実は殺人の天才というふみ枝はかなりコワいが、つましい日常生活と大胆な殺人行為とのギャップも不自然に感じさせない内面の心理描写は見事である。1作目が鬼平犯科帳で2作目が任侠映画なら、今回は宮部みゆきだ(めちゃ大雑把・笑)。そういえば、大沢在昌のマネージメント会社「大沢オフィス」は、ちょうどこの作品が書かれた頃に宮部みゆきと、さらにその後京極夏彦とマネージメント契約を結んでいる(大沢が山椒太夫、宮部が安寿で京極は厨子王というのは笑える)。お互いの作風に全く影響がないとは言えないだろう。ひょっとして業界内では周知の話なのかもしれないが。

6月10日の練習内容 ジョグ10キロ

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